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青年布教使研修会に参加してみた

浄土真宗本願寺派には「布教使」という資格があります。お説教をする専門資格で、この資格を持っていると京都の本願寺や全国にある本願寺別院でお説教することができます。※一般寺院でお話するときには必要ありません。私も一応4年前にこの資格を取得しておりまして、たまぁーに他寺院様から呼んで頂いて、お説教させていただくことがあるんですね。

 

で、布教使の資格を取りますと、各教区にある布教団という組織に所属することになっておりまして、私も備後教区布教団という組織に所属しております。(浄土真宗本願寺派では県単位ではなく「教区」という単位で全国の寺院が組織されています。)そして45歳以下の布教使または布教使資格取得後5年以内の布教使を「青年布教使」といい、今日はその備後教区布教団青年布教使の研修会でした。

説明長くてごめんなさいw

 

講師の岡部正顕師 

 

今回の研修は「ほとけさまの声聲 凡夫の声聲」と題して、講師は備後教区布教団の大先輩である福山市南泉坊御住職岡部正顕師がご講義くださいました。今回は高座を使った節談説教にスポットを当てた研修でした。岡部先生はお若い頃から節談説教の研鑽を続けておられ、地元の節談説教使といえばこの先生という私達の世界では有名なお方です。

節談説教ってそもそもなんなら??って人も多いかと思いますので最後に節談説教の動画をリンク貼っときますw

 

 

 

これが高座ですね。もともとお坊さんのお説教ってこの上に正座して座って話してたんですよ。今では使ってるお寺は少なくて、崇興寺にはそもそもないです…笑

何で立たずにわざわざ座るかってことですが、もともと畳って立って何かする場所ではないんです。和室の作法ってすべて座って行うものなんですよね。会社の営業マンを和室に通したら、ずっと立って待ってることがありますが、あれは間違いですね。座布団が椅子みたいなもんですから、その座布団の…ま、そこら辺のマナーはググってください(笑)んでまぁ、だからと言ってお説教する坊さんが座ったら、聞きに来た人が全然見えませんからこうして高座を設けてそこに座るんですね。落語はいまだにこのスタイルを貫いていますよね。もともと落語はこの高座説教から派生したものですが、大切に残してくれていますね。

 

今回はなくなりつつあるこの高座説教の作法とコツを学ぶ研修でした。私は実際高座に座って説教したことがないので、とても刺激的な研修でした。今のお説教は黒板とかも使いますんで、お坊さんは立ってお説教しますからね。高座だと本当に喋りのみなので、それもまた難しいですね。

 

 

 

岡部先生は自身の若かりし頃のお話とともに高座また節談説教の良さを語ってくださいました。節談っていうのはお説教に節や抑揚をつけてお謡いのように語っていくスタイルのお説教です。これがまた普通の説教とは雰囲気が全然違うんですよね。説教マニアの方には、節談が入ったお説教じゃなきゃダメみたいな方もおられますね。講義の中で節談を交えながら、節談の独特の世界観を表現してくださり「節談は勉学じゃない。師匠について回って真似るしかない」と話される岡部先生はとてもカッコよかったです。

 

20名ほどの布教使が集まり共に学ばせていただきました。今回の研修は布教使育成のための宗門のカリキュラムみたいなもんで参加費はタダだったので、超ラッキーでした。お坊さんものほほんと暮らしていたらあっという間にお寺がつぶれてしまう時代ですからね。学べるときに学んで頑張っていかなくちゃ…

 

 


 

最後に超有名な節談説教使である祖父江省念師の動画を貼っておきます。もうお亡くなりになられてい久しいお方ですが、いまだにお坊さんの世界では有名な方です。ほんといい時代ですよ。私のようなもんがコタツでまったり節談説教を聞ける時代ですから。YouTube様様ですね。

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ABOUT US
住職 枝廣慶樹
龍谷大学文学部仏教学科卒業。本願寺派布教使。お坊さんYouTuber 広島県福山市にある浄土真宗本願寺派明石山崇興寺の十三世住職。二十七歳で結婚し現在2児の父。崇興寺が地域に愛されるお寺となれるよう日々精進しています。趣味はバンド活動と一眼カメラ。バンドではギターコーラスを担当。一眼カメラで撮った写真をInstagramにアップしてます。